読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

3 建前と本音

すごい不良の草場君はかわいい柄のTシャツを着ている。
「仕方ないだろ。それが示談の条件だったんだから。かわいい柄のTシャツを着てれば粗暴な俺もなよなよするだろう、と考えたんだろうよ」
だけどこれは建前。本音は違うから草場君は爆笑する。
「ハハハハハ! 本当は俺はこういうかわいい柄のTシャツが大好きなのさ!」

かの子はフルフェイスのヘルメットをかぶって眠る。
「だって誰にも寝顔を見られたくないんだもの」
だけどこれは建前。本音は違うからかの子はほくそ笑む。
「ヒヒヒヒヒ! 本当は地震でタンスとかテレビが落ちてきても頭が潰されないために、なのさ!」

イカレ女の未知子は呪いで人を殺す力を持っているが使わない。
「だって私がそういう力を持っているということは、他にもそういう力を持っている人がいるはずで、私が使ったとなると他の人も使いだすに決まってて、そうなると私も安全ではなくなるから、私は使わないの」
だけどこれは建前。本音は違うから未知子は薄ら笑いを浮かべる。
「フフフフフ! 本当は私はそんな力は持っていないのさ!」

琢磨は足を洗わないから足が超臭くて皆からの評判は最悪。
「ちゃんと洗ってるさ。それでも臭いんだから仕方ないだろ」
だけどこれは建前。本音は違うから琢磨は肩をすくめる。
「ヘヘヘヘヘ! 俺は超のつくロマンチストなのさ! 俺は絶対に超臭い俺の足を舐めてくれる伴侶を探し出してみせるのさ!」

セレブ妻のサチは夫が突然帰らぬ人となり嘆き悲しむ。
「どうして? どうしてなの? あの人なしで私はこれからどう生きたらいいの?」
だけどこれは建前。本音は違うからサチは高笑いする。
「ホホホホホ! これで思う存分アイスが食べられるわ! 文句を言う人がいなくなったのだから!」