24 天使が舞い降りる

天使が舞い降りる。天使には性別がないと言われている。その通りだ。天使は疑問なのだ。
「義手の作家が書いた作品の著作権を義手製作会社が主張したら裁判所はどう判断する?」
こんな天使が舞い降りた。天使はたまに訪ねてくるお客様だ。大切に扱わないといけない。
話をわかりやすくするために義手の作家を熊田ソーセージ、義手製作会社を熊田製作所としよう。両者熊田であるのは単なる偶然である。
熊田ソーセージはもちろんペンネームだ。ウィキペディアによると本名は佐藤三郎。顔の右半分が水玉模様、左半分が唐草模様で首の長さはなんと50センチ。両手を不慮の事故で失い熊田製作所の義手でまかなっている。義手でペンを握り小説を書いている。代表作は「ブラジルのエジプト人」「わが人生、糞の川に合流」
熊田製作所は創業50年の老舗。「熊田ソーセージの著作物は熊田製作所の義手で書かれたものであり熊田製作所の著作物である。熊田ソーセージは著作権を侵害している」と主張。果たして熊田製作所の主張は通るのか?
そもそも著作権とは何か?ウィキペディアによると「著作権(ちょさくけん)とは、言語、音楽、絵画、建築、図形、映画、写真、コンピュータプログラムなどの表現形式によって自らの思想・感情を創作的に表現した者に認められる、それらの創作物の利用を支配することを目的とする権利をいう。著作権特許権や商標権にならぶ知的財産権の一つとして位置づけられている。」
さて熊田製作所の主張が通るか通らないかといえば通らないに決まっている。そんなことは法律に明るくなくてもある程度の常識があればわかることだ。だが常識があってもひねくれた天邪鬼が世の中には存在する。そういう人達にはこう言ったらどうだろう。
「もし熊田製作所の主張が通るとしたら、世の中は犯罪者の天国になる。義手で物を盗んでも、罪に問われるのは義手製作会社だ。憎いやつは義手で締め殺せばいい。罪に問われるのは義手製作会社だ。そんな世の中をあなたはお望みですか?」