34 チムヘレの副作用に注意

抗インフルエンザウイルス薬として知られるチムヘレの副作用による異常行動とみられる事例が、今月に入り全国各地で報告されている。

<事例1>
二月一日午後五時半ごろ、神奈川県横須賀市にある行列のできるコーンスープ店において、角刈りの少年(十五)が行列に割り込み、注意した証券ブローカーの男性(二十六)に恋をし、キスを迫った。
少年は先月末にインフルエンザにかかり、病院で処方されたチムヘレを服用していた。親の目を盗んで家を抜け出し、お年玉を使って自宅のある福島県郡山市から電車で横須賀市まで遠出、コーンスープ店を訪ねた。横須賀市に土地勘はなく、コーンスープ店を訪ねたのが初めてなら、行列への割り込みも、同性に恋をしたのも、キスを迫ったのも初めてだった。
少年は現在我に返り、意味不明の行動に慄いている。

<事例2>
二月二日午前十時ごろ、福井県敦賀市の高校の教室で女子生徒(十六)が、現在のアメリカの大統領はイリノイ州出身の十二歳の少女ナンシー・クロフォードであると主張、クラスメイトの失笑や戸惑い、先生の気遣いを跳ね除け、一歩も譲らなかった。
女子生徒は先月インフルエンザにかかり、一週間ほど学校を休んでいた。その間チムヘレを服用しており、復帰第一日目のこの日も「念のため」チムヘレを服用していた。
保健室で我に返った女子生徒は、どこから「イリノイ州」や「ナンシー・クロフォード」といったワードが出てきたのか思い当たる節がなく、恐ろしさに泣き崩れた。

<事例3>
二月三日午前七時ごろ、山口県下関市JR西日本下関駅改札口付近で「選挙活動」をしていた会社員の男性(二十八)が、警察に保護された。
男性はご飯党の立候補者として、パン党の対立候補者と熾烈な議席争いを繰り広げており、身振り手振りを交えた力のこもった演説で、ご飯の良さ、パンの下劣さを有権者にアピールしていた。この様子は「有権者」が動画撮影し、ユーチューブで見ることができる。
男性は二日前からインフルエンザでダウンしており、チムヘレを服用していた。
警察署で我に返った男性は、ご飯にもパンにも特別な思い入れはなく、自身の行動に首をひねるばかりだった。

チムヘレと異常行動の因果関係を疑問視する専門家は依然として多いものの、異常行動で恥ずかしい思いをするのはご免蒙りたいものである。