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46 私の友達

「マホちゃん。頭に何か付いてるよ。取ってあげる」ミユキはそう言って手を伸ばすと、私の髪の毛を数本つまんで引っこ抜いた。「ほら、髪の毛付いてたから、取ってあげたよ。ありがとう、は?」私は「ありがとうございます」と頭を下げた。

「マホちゃん。これ何?ブタ?」ミユキは私がカバンに付けていたカエルのキャラクターのぬいぐるみを指差して、尋ねた。「それ、カエル」私が答えると、舌打ちして「じゃあ、これは?ブタ?」と、カエルと一緒に付けていたクマのキャラクターのぬいぐるみを指差して、ミユキは尋ねた。「それは、クマ」私が答えると、ミユキは「ねぇ、マホちゃん」と言った。「マホちゃんはさ、ブタがお似合いなんだから、ブタにしなきゃダメじゃない?そうでしょ?違う?私、間違ったこと言ってる?」私はミユキの目を見ることができなかった。「ごめんなさい」私は頭を下げた。「ごめんなさい、じゃなくて、ごめんなブー、でしょ?」私は下を向いたまま「ごめんなブー」と言った。

「マホちゃん。鏡、持ってる?ちょっと貸してくれない?」私はカバンから鏡を取り出し、ミユキに渡した。ミユキは「もしさ、鏡が持ち主を選べるとしたら、マホちゃんは一生涯、鏡を持てないと思うんだよね。そう思わない?」と言った。私が「思います」と答えると、ミユキは「思うよね、やっぱり」とため息をもらし「この鏡、かわいそう」と言って鏡を私に返した。私は鏡をカバンに戻した。

「昨日ね、マホちゃんの夢を見たよ」とミユキは言った。「普段なら、夢にマホちゃんなんかが出てきたら最低最悪なんだけどさ、昨日の夢のマホちゃんは可愛かったよ」ミユキは上機嫌だった。「マホちゃんの本来の姿であるブタとしての出演だったからね。マホちゃんのこと、これからブタって呼んでもいい?」楽しそうに話すミユキに、私は「はい」と答えた。「ブタ」「はい」「ブタ」「はい」「ブタ」「はい」

「マホちゃん。昨日さ、カレにマホちゃんの写メ見せたら、超絶ブスじゃん、って言われたからさ、私、カレに言ってやったんだよね」とミユキは言った。「性格も超絶暗いよって。そしたらカレ、なんて言ったと思う?」私は「わかりません」と答えた。「カレさ、超絶ブスで超絶暗い子と仲良くしてあげてるなんて、ミユキ、超絶優しいじゃん、って」ミユキは嬉しそうだった。「さすが、わかってる、って思ったね。マホちゃん。私に感謝してる?マホちゃんがさ、ガッコでイジメられないのは、私のお陰だよね」私は「はい。感謝してます」と言った。

「マホちゃん。また頭に何か付いてる。取ってあげるね」ミユキはそう言って手を伸ばすと、私の髪の毛を数本つまんで引っこ抜いた。「ほら、髪の毛。取ってあげたよ」私は「ありがとうございます」と頭を下げた。